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Bud Candy ※

「くそっ……、屈辱だ」 黒地の衣服を胸元までたくし上げ、視線を逸らしながら忌々しげに吐き捨てる。 「はいはい。じゃあココ座って」 突っ立っていると、ソファに腰掛けていた漸が笑顔で見上げ、両の太股を軽く叩いて示している。 「何で俺が……」 「負け犬は黙って従えって。ほら、おいで」 「くっ……、テメエ趣味悪ィぞ。こんな事して何が楽しいんだよ」 「え~、そんな事ねえと思うけど? 真宮ちゃんだって好きでしょ? 胸触られんの」 「好きじゃねえ!」 賭けに負けてしまった為、渋々ながらも一応は従うものの、全力で否定する。 けれども漸は、楽しそうに笑みを浮かべており、素直に跨がると満足げに腰を抱いてくる。 「何だ、これは……」 「真宮ちゃんのおっぱいが超至近距離」 「やめろ……」 「やっぱいい身体してるよね。引き締まってて無駄がねえし、めちゃくちゃえっち」 「ん。おい、引っ掻くな……」 「痛かった? ごめん、ごめん。つうか感じちゃった?」 「ふざけんな」 睨んだところで何処吹く風で、漸といえば指を這わせて肌を擦っている。 腹立たしさに拳を震わせるも、唐突に乳房を撫でられて驚き、次いで押し潰されると吐息が零れる。 外気に晒され、無防備な尖りは彼の手中であり、歯痒くとも現状ではどうする事も出来ない。 衣服を捲り上げたまま、不本意ながらも無抵抗に徹し、そのうち尖りへと吸い付かれて肩を震わせる。 「おい……、なに、して……。ん……、そんな、吸っても……、何にも出ねえって」 「ふうん、そうなの?」 「ば、か……、あたり、まえ……。はあ、あ……こんな、何が……、楽しいんだよ……ん」 「楽しいよ。えっちになったなァって……。乳首弄られるだけで感じちゃうなんて、真宮ちゃんてばやばくない?」 「ん、く……、だ、れのせいで……あ、はぁっ」 「ちゃ~んと責任取ってるから服上げて。下がってきてる。邪魔」 「お、まえなぁ……」 力が抜けてずり落ちそうになると、手を擦られる。 掴み直して持ち上げれば、再び尖りへと吸い付かれ、執拗な愛撫に感覚がどんどん鋭敏になっていく。 信じ難い現実だけれど、熱情を孕むのに時間はかからず、見下ろせば歯を立てている漸が映り込む。 「ん、く……、てめ、歯ァ、立てんな、よ……ん」 「ん……、固くなってる。コリコリしてんの分かる?」 「あ、噛む、な……」 「何なの、わがまま」 「う、どっちが……、大体こんな、ことに付き合わせやがっ、あ、はぁ」 「う~わ、えろい声。しょうがないじゃん、真宮ちゃん負けたんだもん。俺と遊んでくれる約束でしょ?」 「お、かしいだろ、こんな……ん、んんっ」 反論を封じられ、尖りへと噛みつかれて歯を食い縛り、懸命に耐え忍ぶ。 しかし唇からは、たまらないとでも言いたげな吐息が零れ、思わず漸の髪に触れて指を絡めてしまう。 腰を抱いていた手は気が付けば背中へと回され、衣服に潜り込んでは擦って悪さばかりしている。 見下ろせば伏し目がちな彼が映り、艶かしく舌を這わせながら愛撫を繰り返し、唾液に染められた乳輪がふしだらな輝きを帯びる。 「も、いいだろ……。やめろ……」 「やァだ、まだ遊びたい。それにほら、こっちも構ってほしそうにしてるし」 「ンなわけねえ、だろ……あっ、揉むな、擦るなっ……」 「にしてもさァ、無抵抗な真宮ちゃんを好きに出来るなんて最高じゃない? 律義だよねえ、そういうとこ。大好き」 「何処に言ってんだよ、テメエは……。ん、おい……、舐めるな」 一方では舐められ、もう一方では指で摘ままれ、くすぐるような刺激に耐えながら眉間に皺を寄せる。 声を抑えようとも、ふとした拍子に唇から滑り落ちてしまい、ばつが悪くて視線を逸らすも彼はお構いなしに楽しんでいる。 「いつまでやってんだよ……んぅ、あっ、も、離れろ……」 「嫌です~。ちょっとさァ、邪魔しないでくれる? 気が散るから。最終的には服着てらんねえくらい感じやすくなればいいんじゃない?」 「いいわけねえだろっ。う、くそ……離れろ、今すぐ離れろ……」 「いって。こら、何やってんの? そんな乱暴な子に育てた覚えはありません」 「育てられた覚えもねえわ! いい加減にしろって、お前……んっ」 「触られただけでそんな顔するくせに。困った奴。でも、そうだな……。気持ちいいって素直に言えたら今日は終わりにしてあげてもいいかな」 「なっ、てめ……」 「出来ねえなら別にいいけど?」 ちゅ、と尖りへ唇を寄せられ、甘やかに食まれる。 声を押し殺し、ごまかすように漸の髪を撫でるも、これ以上は取り返しがつかなくなってしまう。 熱情を孕んでいく身体から目を背け、半開きの唇からは悩ましい吐息が溢れ、悟られる前に一刻も早く離れてしまいたい。 「ん……」 「ん? 観念した……? 言いたい事があるならどうぞ」 「はぁ、あ……、それ、もっと……」 「……舐めてほしいの?」 「あ……、吸われる、の……、気持ちいい……。もっと、ぜん……、吸って、それ……、もっと、強く……あっ」 言わされているはずが、紡げば紡ぐ程に感度が増して饒舌になり、吐露する快感に身を震わせる。 お望み通りに吸われると、ぞくぞくとした快楽が背筋を駆け巡り、だらしなく開かれていた唇からは唾液が溢れてくる。 過度の刺激に声を上げれば、急に視界が揺れて体勢を崩し、暫くしてから天井が映っている事に気が付くも、何が何だか分からなくなる。 「へ……。て、おい!? 何やってんだ、テメエは!」 座面へと押し倒され、のそりと現れた漸と目が合い、何だかすごく嫌な予感がして押し退けようとする。 しかしびくともせず、漸といえば真顔で見下ろしており、ますます気味が悪くて薄ら寒くなっていく。 「ぜ……、漸くん? もしもし……? 目が怖ェぞ……。約束したよな?」 「ああ……、何だっけそれ」 「なっ、テメエ! お望み通り言ってやっただろうが!!」 「知らねえし。つうか何、さっきの。勃っちゃったから責任取って」 「は……? いや、待て、待てって、おい!」 「無理、待てない」 解放されるはずが、更に深みへと嵌まってしまい、必死に肩を押し返すも押し切られるのは時間の問題であった。 【END】

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