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きみはわるい子 ※
首筋へと触れれば、振り払う事もなく感じ入り、舌は為すがままに動きを止める。
彼が気を逸らしている間に、もう一方の手も悪さを始め、程なくして腰を探り当てる。
衣服の裾が触れ、手を潜り込ませて脇腹を伝い、徐々に捲り上げていく。
今や撫でられるだけでも気持ちがいいのか、悉く感じ入っては動けなくなり、先程よりも唾液が増して淫猥な音を立てている。
首筋から肩へと移り、ゆっくりと身体を押すと容易く彼は倒れ、少しずつ体勢を変えて押し倒す。
途中で口付けをやめ、ソファの座面にて横たわる真宮を見下ろすと、半開きの唇からはだらしなく唾液が垂れている。
それを拭おうともせずに、彼は頼り無げな視線を寄越し、そこでようやく察したらしい。
「ん……、やるのか……?」
「やるだろ、そりゃ。今更嫌とは言わせねえ」
「わかった……。いい……。やる……」
「は? やんの?」
「ん……? ちがうのか……?」
「違わねえけど……、お前、何なの……。軽すぎだろ。俺が誰かホントに分かってんの?」
「ぜん……」
呼ばれて何も言えなくなり、外でもこのような状態なのだろうかと急激に不安になってくる。
人差し指で頬を撫でると、途端に気持ち良さそうに表情を和らげ、嬉しいはずなのに未だに素直に喜べない自分がいる。
「ん」
口を噤んで、視線を逸らして静止していると、何やら声がして顔を上げる。
すると、真宮が此方を見つめながら手を差し伸べており、初めは何を意図しての行動か分からなかった。
しかし、軽く手招きされたところで自然と頭を下げ、彼へと寄ってしまう。
後悔しても時すでに遅く、よしよしと言わんばかりに頭を撫でられ、慈しむような手付きであった。
「おい、酔っ払い……。何なの、これ」
「ん……? なんか、いじけてたから……」
「は? 誰が」
「誰って……、お前しかいねえじゃん。なんか……、かわいいな。生意気なのは、相変わらずだけど……。今日のお前は、なんか可愛い」
「……マジで調子狂う。ンなこと言った事ねえだろ、お前」
「そうか……? でも、可愛いし、嘘じゃねえよ」
「ああ、もう分かったから。喋んな。後いつまで撫でてんだよ、鬱陶しい」
非常に格好悪い、という自覚はありながらも構っていられず、ようやく頭を撫でていた手を下ろさせて主導権を握ろうとする。
「まだ撫でてたのに……」
「もう、いいだろ。先に進まねえんだけど」
「いいんじゃねえの……?」
「良くねえ。言うこと聞けって」
「お前だっていっつも聞かねえよ? 俺の言うことなんて、な……?」
へら、と頬を緩ませ、彼が愉快そうに微笑む。
「やっぱ日頃の仕返しだろ……」
「ん……? 悪いこと、してる自覚でも、あるのか……?」
「悪くねえ。……嫌なのかよ」
多少強引かもしれないけれど、今更正攻法で向き合うには勇気がいる。
すっかり調子を狂わされ、我ながら情けない言動に恥じ入るも、そっぽを向いて拗ねてしまう。
嫌だと言われたら傷付くので、今すぐ此処から逃げ出したくなるが、重りを乗せられたかのように身体が動かない。
嫌われたら生きていけない。
大事にしたいと、尊重したいと思っているのに、いつも困らせてばかりいる。
いつか本当に見放されたら、どうしていいか分からない。
泥濘へと引き摺られ、瞬間的に悪い方へ舵を切りながら、沈黙に耐えきれずに今度こそ逃げようとする。
しかし、ふと頬に温もりを感じ、視線を向ければ真宮がじっと見つめている。
「嫌じゃない……。けど、調子に乗るから……、あんまり言いたくねえ……」
なでなで、と頬を擦られ、少し不満そうにも見える表情で紡がれ、何だか気が抜けてしまう。
「……だよね。真宮ちゃんて、いじめられるほうが好きだもんね」
「んなこと言ってな、……ん」
「うそ。俺知ってるよ……?」
途中まで捲れていた裾に、改めて手を潜らせる。
均整の取れた体躯が露わになり、鍛えぬかれた腹直筋を撫でていき、やがて胸元が眼下に晒される。
一方の尖りへと、指を這わせて緩く摘まめば、ささやかながら吐息を漏らす。
今度は引っ張り、次いで指の腹で擦り合わせると、次第に様相が変わっていく。
「なんて顔してんの? 乳首摘まんだだけじゃん」
「ん……、はぁ」
「いつの間にかこんなところで感じるようになっちゃって。な~んかおっきくなった?」
ぐりぐりと、いじめるように指先で捏ね回すと、乱れた息が空気を震わせる。
手首へと触れられるも、抗おうという意思は窺えず、健気な息遣いばかりが目の前から聞こえてくる。
「ち、が……、ちがう……」
「違うって、何が? 乳首ぐりぐり捏ねられてえっちな顔してんのに、何ともねえなんて言っちゃうの? 寧ろ……、足りねえんだよな? こんなんじゃ」
「ん……、んぅ、はぁ……」
「感じるようになっちゃったもんね? ココ」
乳頭に爪を立てながら捏ねると、僅かな痛みに眉根を寄せても振り払わず、より甘美な享楽へと落とされていく。
快楽が増すばかりで、すでに彼の身は昂っており、胸元の尖りは浅ましく熟れて張り詰めている。
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