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きみはわるい子 ※

「そう、だよな……。ぜん……」 微笑まれて、直ぐ様反論するつもりであった。 しかし、喉元までせり上がりながら紡げず、柄にもなく躊躇してしまう。 咄嗟に言い掛けて、悩むような表情を浮かべて、いつまでも言葉にならない。 まるで伝えるべき想いは別にあるとでも言うように、暫しの時を静止する。 中途半端に唇を開いたまま、一度は強引に投げ掛けようとするも、結局は言えないまま微かな息遣いだけが漏れていく。 いつものように適当な軽口でかわしてしまえばいいのに、出来なかった。 葛藤に揺れ動くも、視線を合わせていられなくなるも、やがて観念する。 「悪いのかよ……」 言ってから猛烈に後悔するも、もう遅い。 やっとの思いで絞り出して、我ながら嫌気が差しても今更であり、今夜は彼に振り回されてばかりいる。 「ふ……」 「おい、何だ今の。笑っただろ……」 「ん~……? たまにはかわいいとこも、あるんだよなあって……」 「バカにしてやがるコイツ」 「かわいがってるだけ、ん……まだ話して、だろ……」 「知らねえ」 からかわれているような気がして面白くなく、首筋へと舌を這わせて黙らせる。 ちゅ、と時おり音を立てながら口付け、たっぷりと唾液を孕ませながら舐め、甘やかな欲望を再び呼び覚まさせていく。 「ん、おい……、ん、んぅ……」 余計な事を言われる前に唇を重ね、舌を捩じ込む。 何を言おうとしていたかなんて忘れさせるように、丹念に口内を愛撫していく。 息を潜める舌を捕らえ、粘膜を触れ合わせながら熱情を交わし、ぴちゃりと唾液がいやらしく音を立てる。 ん、と色艶を孕んだ声が聞こえ、情欲に駆り立てられるまま口付けし、やがて大人しく舌を押し付けてくる。 何度も何度も絡ませて、次第に唾液が溢れていこうとも構わず、甘ったるいひとときが流れていく。 胸元を探り当てて再度揉めば、一際感じ入るような吐息が聞こえてくる。 それを逃すはずもなく、尖りを指で挟みながら擦り、擽るような刺激を与える。 「ん、はぁっ、は……、あ……、ま、た……、おまえ……」 「そろそろ次にいってあげるから安心してよ」 「ん……、いちばん、信用……、できな……、ん」 額へと口付けてから離れ、一気に下腹部を目指す。 熟れた胸元からも離れ、下肢を見つめれば昂りの度合いが窺え、満足そうに笑みを湛える。 「まだ何にもしてねえのに、ずっと待ってたんだ……? ごめんね」 冗談めかして屹立を撫でれば、生地に阻まれようとも熱が伝わってくる。 不意の接触で腰を引こうとしたので、逃れられぬよう捕まえながらベルトを引き抜き、欲望を一気に暴いていく。 下穿きごと下ろせば、外気へと晒された自身がそそり立ち、淫猥に脈を打つ。 先端からは、すでにふしだらな白濁で溢れ、多大なる劣情を物語っている。 間近で眺めれば、時おり物欲しそうにひくつき、更なる蜜を滴らせる。 何にもしないでいると、起き上がろうとする気配を感じ、鈴口へと触れてみる。 人差し指で馴染ませるように円を描きながら、淫らな白濁を塗り付ける。 にち、と時おり音が漏れ、微かな刺激を搔き集めるように、自身からはとめどなく卑しい欲望が滲んでは流れていく。 「そんなに嬉しいの? ちょっと触っただけなのにスゲエ出てきた」 「ん……、ちが」 「違うの? 気持ち良くねえのによだれ垂らしちゃうんだァ。こんなに零れてんのにおかしいね」 掬い上げるように親指で拭うと、絶えず白濁が溢れて自身をけがす。 意味ねえじゃん、と静かに笑みつつ、物足りないであろう屹立から離れ、手の平へと唾液を落とす。 そうして自身から下り、すぼまりへと控え目に触れ、指先を僅かに喰らわせていく。 「ん……、なに……」 「大丈夫だって。言ったでしょ? 安心してって」 「だから……、そ、れ……」 「はいはい、起き上がろうとしないの。逃げんのもナシ。やるって言ってたじゃん」 唾液と、白濁に塗れた指を押し当て、弧を描くように撫でながら広げていく。 指先を孕ませ、抜いては差してを繰り返し、少しずつ馴染ませて深度を増す。 ん、と堪えるような吐息が聞こえ、触れる度に何らかの反応を示している。 酔って理性が緩んでいる割には、今のところ奥ゆかしく息を潜めており、敷布を乱して控え目に身動ぐ。 僅かな刺激でさえも、貪欲に受け入れて快楽へとすり替え、触れられずとも自身は一向に萎えていない。 寧ろ感極まるように、だらだらとふしだらな証を垂れ流して咽び泣き、腰が揺れる度に身を震わせている。 「ん……、ぜん……」 「なあに」 「あ……、なん、で……」 「何か気になる……?」 わざとらしく聞き返し、徐々に受け入れさせるべくすぼまりを広げていく。 言いたい事は分かっており、本当は自身へと触れられたくて仕方がないのであろう。 しかし分からない振りをして、ゆっくりと押し広げていきながら育て、より奥へと指が入り込んでいく。 「はぁ、あ……、ぅ」 「全然ココだけで満足そうじゃん。さっきよりもえっちなの出てるよ?」 「ち、が……、それ……、いやだ……」 「え~、何処が? 自分で状況分かってんの? スゲエ足広げちゃってんじゃん。もっと、て……」 太股を擦り、貞淑を装う青年へと思い知らせる。

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