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その眼差しは 1※
「は~……、あっつ」
真夜中に、眠りに就くべく寝台で横たわっていると、背後から溜め息混じりに声がする。
「お前が引っ付いてるからだろ。離れろよ」
目を閉じたまま、先程から腰へと纏わり付く腕に触れるも、一向に離れる気配はない。
それどころか、感触を確かめるようにあてもなく指を滑らせ、やがて徐々に衣服の下へ潜り込んでいく。
「おい、何やってんだ」
すかさず腕を掴めば動きを止めるも、もう一方の手が悪事を引き継ぐ。
腹部を撫でながらいやらしく指を彷徨わせ、どんどん服を捲り上げられてたまらず目を開けると、余計な事ばかりする彼へ抗議する。
「だって暑くて眠れねえもん」
「俺はお前のせいで寝れねえんだよ」
「真宮ちゃんはァ、俺より先に寝ちゃダメ」
「お前が寝入るまで見張っとけって? ふざけんな。そんなに暑けりゃエアコン入れりゃいいだろ」
やれやれ、とは思いながらも空調を入れるべく、リモコンを探そうとする。
しかし身体を起こそうとしたら抱き寄せられ、がっちりと密着されてまともに動けなくなる。
何のつもりだと言い掛ければ、感じやすい首筋へと口付けが降りかかり、次いでねっとりと舌を這わされる。
思わぬ刺激に隙が生じ、それを見逃さぬ彼の手が胸元を這い回ると、すぐにも尖りを探し当てられてしまう。
「お前に寝る気はねえのか」
「眠れないから、真宮ちゃんに寝かし付けてもらおうと思って」
「噛み合ってねえんだよなあ……」
「でもさァ、ちゃんと感じてるよ? ここ。コリコリして固くなってきた」
抗おうと腕を掴んでも、侵攻を阻めずに勝手を許してしまい、執拗に乳房を嬲られる。
押し潰すように摘まんだかと思えば、指を擦り合わせて尖りを捏ね回し、首筋へと何度も口付けを施される。
舌を這わされる度にぞくぞくと快感が走り抜け、それだけでも抵抗する力を奪われてしまい、胸元を弄ぶ我が侭な手を止められない。
触れ合う度に暑くなって、じんわりと額に汗が浮かび、少しずつ淫らな熱に押し流されていく。
「ん、やめろって……。触んな。寝ろよ」
「そういう真宮ちゃんは今更寝れんの? 乳首勃ってきたじゃん。分かる?」
「お前がしつこく弄るからだろ」
「気持ちいいからでしょ? お前おっぱい触られんの好きじゃん」
「好きになった覚えはねえ」
「そんなこと言って、身体は正直なんだけどなァ。例えばココとか」
いつの間にか下肢へと滑り落ちていた手が、熱を孕み始めていたそれへと触れる。
スウェットの上から自身を握られ、やんわりと揉まれれば仄かな刺激だけが生じ、快感を得るには物足りなさが募る。
寧ろ快楽を追い求めて更なる劣情が込み上げ、これ以上の勝手を阻みたい気持ちとは裏腹に、身体は貪婪 な時間を貪り始めていく。
「触っていい……? ねえ、真宮。ここ」
不意に耳元で囁かれ、生地の上から下腹部を撫で回しながら、こんな時に限ってお伺いを立ててくる。
普段は何を言ったところで押し切るくせに、こういう時ばかり欲望を見透かすように猫なで声を上げ、観念しろと言いたげに誘惑してくる。
身を捩っても、一方の手には未だ乳房を弄られており、僅かな感触ですら今や過敏に拾い上げてしまう。
ぷくりと起立して、快楽の波に呑まれてすっかりと熟れ、指先が微かに触れるだけでも異常な程に感じてしまい、じんわりとした熱を纏っている。
「お、まえ……、いい加減にしろ」
「何が? 焦らさずにとっとと触ってほしいって?」
「ちがう……」
「なら、なあに? とても眠れるようには思えねえんだけど。だってさァ、勃ってるじゃん。乳首触っただけなのに」
「それはお前が……」
「俺が触るから気持ち良くなっちゃったの? かわいい」
「テメ調子乗んな」
「強情だよなァ。素直に触ってっておねだりしたら話が早ェのに」
「俺のせいみてえに言うな」
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