「はぁ……、ん、何して……」 「ん？　手伝ってあげようと思って」 再び漸の手が、すでに劣情を孕んでいた乳房へと触れ、指先で尖りを捏ね回す。 乱暴に上を向かされれば、それだけでじんわりと快感を纏い、むず痒さに襲われる。 爪が掠めるだけでも敏感に感じ取り、くすぐったいような快楽が一点へと集中する。 淫らな愛撫を繰り返され、彼の胸元へと奉仕を続けるも次第に疎かになり、頬を押し付けたまま熱い吐息ばかりが零れるようになっていく。 「はぁ、は……」 「真宮ちゃんさァ、気付いてる？　動き止まってるよ」 「ん……、やめろ」 「やめてほしい声じゃねえんだけどなァ。俺のおっぱい舐めながら考えてただろ。いつも俺にどう弄られてたっけ？　て……」 「ちがう……」 「ちがうの？　なら、それでもいいけど。この手は、なあに？　止めてるつもり？」 悪事を働く腕に触れ、質感を確かめるように撫でながら、やがて手の甲を覆う。 しかし振り払うには至らず、動きを止める事も出来ないままに、縋り付くように掌を重ねて温もりを感じるだけに留まっている。 真上から微かに笑い声が漏れるも、殆ど蕩かされた思考では気にならず、一方の乳房ばかりが敏感に悦楽を育んでいく。 思考に陰が差し、頭がぼんやりとして、胸元の感度が高まる。 一方の手が後頭部へと回され、慈しむように撫でる手が、くしゃりと髪を混ぜている。 「気持ちいい？　おっぱい触られんの好きだもんね」 「ちが……、ふざけんな」 「初めは好きじゃなかったもん、て？　いつから気持ち良くなったんだっけ」 「お、まえ……、うるせえ」 「はいはい、拗ねんなって。かわいいって言ってんの」 「ンなこと言われて俺が喜ぶとでも思ってんのか？」 「え～？　満更でもねえと思ってるけど？」 不満を募らせれば、不意に額へと口付けをされ、押し倒された身体が揺らぐ。 仰向けに寝かされたかと思えば、息つく間もなく覆い被さってきた漸に首筋を吸われ、舌で嬲られて思わず顔を背ける。 吐息が降りかかり、唾液を孕んだ舌が舐め上げる度、ねっとりとした熱情が首筋に残されていく。 気を取られている間に漸の手が下肢へと伝い、気付いた頃には外気へと晒されていた性器を擦られ、それだけでどっと先からふしだらな白濁が滲む。 「あ……、はぁ」 「甘ったるい声。俺のおっぱい舐めただけでちんぽ勃っちゃったの？　やらしい」 「はぁ……、ち、が……ちがう……おまえが……」 「おっぱい弄られるだけで勃っちゃうようになっちゃったもんねえ、真宮ちゃんは。ハ、見てコレ。スゲェどろどろ出ちゃってんじゃん。もうイッちゃうの？」 「あっ、はぁ……、さ、わんなって……」 「触ってほしくねえの？　ぐりぐりされて気持ち良くない？　こんなに溢れてんのに」 「ん、んぅ……」 縋り付くように彷徨う手が、右肩に収まっていた漸の頭を捉え、力なく髪へと触れる。 押しのける余裕もなく、指先だけが滑らかな銀糸を撫で、彼もまた嫌がらない。 静けさが漂う室内には、ぐちゅぐちゅと淫猥な音が響くようになり、敷布を滑る足が知らず知らずのうちに快感を追う。 唇を噛み締めて懸命に声を押し殺すも、どうしても鼻にかかった吐息が鼓膜を震わせ、身を焦がすような快楽に襲われる。 「真宮ちゃんはァ、乱暴にちんぽ擦られんのが好きだよね。スゲエ出てくる」 「はぁ……、ん」 「口聞けなくなっちゃった？　我慢なんてしてるから。お前らしくねえよ？」 じゅ、と音を立てて欲深な蜜が溢れ出るのが分かり、どうしてか劣情を煽られる。 仔猫のように首筋を舐められ、下腹部では問答無用に攻め立てられており、淫らな欲望で脳内が満たされていく。 「もっと、あんあん言っちゃえって。真宮ちゃんのえっちな声聞きたいなァ」