49 / 53
その眼差しは 6※
「は……、はぁ、あ……」
自然と腰を揺らめかせ、力なく銀髪を撫で回しながら身悶えて、再び寝台へと沈んでいく。
枕へと顔をうずめ、新たな刺激を加えられる度に喉仏を晒し、ふしだらな声を絶えず漏らす。
ぐちゅ、と音が零れると、吸い付くように舌を這わされて快楽が生じ、先端からはだらだらと淫らなよだれが溢れてしまう。
ねっとりと絡み付く温もりに抗う理性を剥かれ、快感に溺れかけながら悩ましい吐息ばかりを漏らし、憎まれ口を叩く余裕をどんどん奪われていく。
「ん……、甘ったるい声出てる。真宮ちゃん、気持ちいい?」
「はぁ……、あ……、もう……、たのむ、から……」
「なァに? 早くイキたいって? そろそろ出ちゃうんじゃねえの?」
「や、め……、ぜん……、あ、あぁ」
自分でも何を言っているのか分からず、譫言のような羅列を繰り返す。
自身を咥えられるだけでもたまらないのに、指で内部を掻き回される快楽に苛まれ、暴力的なまでの快感に身体がどうにかなってしまいそうだ。
今更行為を止められても引き返せないのに、唇からは見え透いた嘘ばかりが零れ落ち、心にも無い拒絶を何度も紡いでいる。
それでもきっと漸にはお見通しで、甘やかな声音で相づちを打っては愛撫を重ね、少しずつ逃げ道を塞いでいく。
「だらしねえなァ、こんなに零しちゃって。お行儀悪いよ? 俺の手こんなになっちゃったじゃん。どうしてくれんの?」
「そんなの……、お前が……」
「まァた俺のせいにすんの? 真宮ちゃんて、そういう事するんだァ。いじわるだね」
「なんで、あっ、うぅ……」
そんな事言われなきゃならねえんだ、と心中で言い返すしかなく、再び咥えられて強烈な快楽がせり上がってくる。
羞恥心を煽るように音を立て、わざとらしく咥えながら語り掛けられると、言葉にならない嬌声が吐き出されてしまう。
裏筋を嬲られると気持ちが良くて、先端へと吸い付いてから舌で舐め回されると、えもいわれぬ甘ったるい衝動が込み上げてくる。
口内の温もりに包まれ、手でも扱かれて快感を追い上げられ、容赦なく射精を促されていく。
「あ~、えっちな汁いっぱい出てきたァ。真宮ちゃん、もう限界?」
「あ、はぁっ……、も……、でちま……、でる……、ぜん……」
「もう、出ちゃうの? まだちょっとしか舐めてねえのにもったいない。もう少し我慢してよ」
「あっ……、そ、んなのむり……あ、あぁっ、は……、やめ、も……く、わえんな」
「ん~? フェラしてあげるって言ったじゃん。満更でもねえくせに」
「だ、から……もういくって言って……、あ、あぁ、むり、むりだ……あぁっ」
「我慢できねえの? ダメだなァ、真宮ちゃんは。堪え性がないんだから」
懸命な訴えも空しく、容赦なく自身を扱いて快感を煽り、舌を添えながら口内に包まれる。
それだけで快楽の波へと浚われ、ぐちゅぐちゅと零れる淫猥な音にも追い立てられ、最早止められない激情に駆られて彼を引き剥がそうとする。
「あっ……、でる、でるからも……、はなれろってぇ……」
髪を掴んで離そうとするも、彼は性器を咥えたまま悦楽を植え付けるばかりで、切羽詰まった気持ちを汲み取ってくれない。
欲望を口内へとぶちまけてしまうのが嫌で必死に足掻くも、内部へと指を突き入れながら自身を犯してくる。
身動いだ視界には、怒張したそれを咥える漸が映り込み、目蓋を下ろした綺麗な顔立ちからかけ離れたものが見え隠れしている。
やめさせたいのに、長い睫毛に彩られた容貌に汗を滲ませながら愛撫する姿を見ているだけで、どうしようもなく不埒な感情が込み上げていくのを感じる。
ぞくぞくと背筋を駆け巡り、口内へと押し込まれた自身が逃げ場を無くしたまま、どうしようもない昂ぶりを解き放っていく。
ともだちにシェアしよう!