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Eremurus※
堪えきれずに噴出し、痺れるような快感が背筋を駆け巡り、淫らな証が彼の指ごとけがしていく。
びゅると欲深な汁が溢れ、止められずに自身をぬらぬらと染め上げ、やがて敷布へと滴り落ちている。
はあ、と余韻に浸るような吐息が零れ、虚ろな眼差しがひと時宙をさ迷い、身体は快楽にひくついている。
再び首筋へと口付けられても、嫌がる素振りすら出来ずに放心し、自身からは未だ白濁を垂らしている。
「はぁ……う」
鎮めるように目蓋を下ろし、深く息を吐きながら悦楽へと沈み、程無くしてそっと視界を広げていく。
何にも言えず、彼の存在を間近で感じつつ横たわり、自身は後ろめたい欲望に塗れている。
窺うように、さらりと添えていた指先を走らせ、すべらかな肌を伝っていく。
眼差しは蕩け、熱っぽく吐息を乱れさせ、なかなか余韻から抜け出せない。
相手が誰であろうと、溜め込んでいた欲望を吐露してしまえば気持ちが良く、急激に疲労感が纏わりついてくる。
絡み付く体温を心地好く感じ、さらりと前髪が額を流れ、このまま眠ってしまえたらいいのにと思う。
だが、なけなしの理性を奮い立たせ、拘束が緩んだ瞬間にハッと我に返り、殆ど反射的に力を入れる。
横向きから素早く起き上がり、反転して拳を構えると躊躇いもなく顔面目掛けて一撃を振り下ろす。
「あっぶね」
「よけんじゃねえ、この野郎!」
「当たったらイテェじゃん。それに大人しく殴られてやる趣味もないし」
「好き放題やりやがって一発殴らせろ!」
「一発でいいんだ、優しいね。まあ殴らせてやんねえけど」
馬乗りになり、ぶん殴ってやろうと拳を叩き込むも避けられ、更なる一撃は掌で受け止められてしまい、根比べに突入する。
ぐぐと押し合い、それでも仰向けの漸には笑みが湛えられ、その余裕がますます気に入らない。
もう一方の手も加勢し、顔面を捉えようとするもやはり阻まれ、不機嫌さを露にしながら相対する。
「何怒ってんの? 気持ち良くなれて良かったじゃん」
「うるせえな、全然良くねえんだよ!」
「素直じゃねえなァ。さっきまであんなにえろい声出して」
「うるせえ黙れ殴らせろ……!」
「え~、やだ。そんな事よりもさァ、もっといい事しよう……?」
「ふざけんなテメエとなんかっ」
「そんな状態のまま凄まれても迫力ねえよなァ」
視線を逸らされ、何を見ているのかと辿って瞬時に理解し、そして後悔する。
未だ局部が露になっており、落ち着いてから気付かされて怯んでしまい、組み合う両手から力が抜ける。
一瞬の緩みを見逃さず、手を離されて視線を戻した頃には胸倉を掴まれ、にやりとつり上がる唇が視界に飛び込んでくる。
「んっ、んぅ……!」
強引に抱き寄せられ、回された手に後頭部を押さえ付けられ、深く口付けを強制されている。
敷布を押さえ付け、力を入れて起き上がろうとするも阻止され、滑り込まれた舌が口内にて蠢いている。
噛み千切ってやりたくても思うだけで終わり、実際そのような隙なんて与えられずに舌が触れ合い、ぬるりと唾液が混ざっていく。
ねっとりと絡み、ぴちゃりと鳴り響く音がまたしても刺激をもたらし、満足に呼吸もさせてもらえない。
「はっ、ん、ふぅ……」
離れなければと力を込めても、首筋を撫で、髪を弄ぶ両の手に押さえ付けられており、優位な体勢であったにもかかわらず気付けば易々と追い込まれている。
ちゅ、と唇が擦れ合い、熱を孕んだ舌が味わうように口内を散策し、抗えぬ劣情を植え付けていく。
息すら許さず、やがて苦しげな声が零れても口付けは続き、がくりと倒れ込んでますます密着する。
隙を見逃さず、ようやく口付けから解放されたかと思えば視界が流れていき、見上げた先では漸が唇を舐め上げている。
「はぁ、はっ……テメ、何して……」
軽く咳き込み、満足に呼吸も出来ずに涙が浮かび、苦しげに喘ぐ顔には赤みが差している。
形勢逆転したかと思えば、結局振り回されて押し倒され、何一つとして仕返し出来ていない。
悔しそうに眉根を寄せ、睨み付けても特段効果は得られず、彼は静かに微笑んで見下ろしている。
「そろそろ諦めたら? 往生際が悪いんじゃない」
「テメエこそさっさと其処をどけっ」
「もう少しいいじゃん。遊ぼうよ」
「テメエとなんかお断りだ! あっ、おい! やめっ」
起き上がろうとしても押さえ付けられ、苛立って拳を握るも彼は微笑むばかりであり、やがて視界から消えたかと思えば直ぐ様良からぬ感覚が疼いてくる。
手探りで頭を捉えるも、蛮行の阻止は叶わず、胸元へと舌を這わされて突然の事に甘やかな声が感じ入るように零れてしまう。
「はぁ、やめっ……、このやろう」
衣服は胸元まで捲られていて、一方にはねっとりと舌が這い回り、もう一方には指が触れている。
髪を鷲掴み、相手を離れさせようと力を入れるも、与えられる刺激に翻弄されて動きが止まってしまう。
押し退けたいのに、ぴちゃりと音を立てて舐め回される度に火照り、応えるように胸元が熟れていく。
そのうち情けない声を抑えられなくなり、口元に手を添えながら荒く呼吸し、このままではいけないと焦れても事態は好転しない。
「はぁ、はっ……、くそっ」
「観念した?」
「誰がっ、あ……」
「ふうん、そう。頑張るね。こんなに尖ってんのに、まだ良くないなんて言い張るわけだ」
「実際良くなんてね、んっ、んぅ……」
「そんなやらしい声出しておいて?」
「うるせえ、あっ、や、め……んっ」
一点を狙われ、艶かしく彩られていく其れはいつしか熱を孕み、固く熟れて悦楽を受け入れていく。
舐められ、擦られてじんと胸が熱くなり、声を抑えてもすり抜けてしまう。
良いようにされるなんて嫌なのに、髪を掴んでいた手からは力が抜けてしまい、とうに押し返す事も出来やしない。
ぴちゃりと聞こえる度に思考が浚われて、熱に浮かされて流されてしまいそうで、それだけは嫌だと我に返ってもすぐにまた、疼くような快感に纏わりつかれて吐息が零れていく。
「んっ、そこ、ばっかやめ……」
「他にも触ってほしいの?」
「ちがうっ、離れろって言ってんだよ!」
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