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Eremurus※

「ん……」 耳朶を食まれ、首筋へと舌を這わせながら顔をうずめ、時おり吸い付かれる。 熱っぽく吐息を漏らし、いつしか涙で潤んだ視界はぼやけ、無抵抗に身体を明け渡してしまっている。 彼が動く度に、収められている熱が内部を擦り、疼くような快楽ばかりを与えられていく。 奥へと誘い込むように、もっとと求めるように腰をくねらせるも、浅ましい自分には気付けないでいる。 さらりと髪が触れ、顎を撫でられながら彼はまだ首を弄んでおり、唾液で塗れさせても足りないようだ。 劣情を植え付け、これ以上ない程に煽られて自身は昂り、しとどに蜜を溢して絶頂を待ちわびている。 すっかり拡げられ、彼を受け入れてしまっている其処からは白濁が零れ、ぷちゅりと音を立てながら辺りを汚している。 敷布へと染み、それでも構わずに繋がりを深め、信じられない程に甘やかな一時が流れてしまっている。 「あっ……ぅ、ん……、あと、つく……」 「付けてやろうかと思って」 「ん、んぅっ……、やめ……、だめだ」 「お前が一体何をしていたのか、分かりやすく教えてやろうと思って」 「あっ……、はぁ、やめっ……ん、いやだ……ぜんっ」 「どうせもうバレてるだろ、ナキツ君には」 「はぁっ、は、……ん、くっ」 懸命に拒んでいるつもりでも弱々しく、止めようと伸ばした腕が漸の頭部を捉えるも、ただ髪を撫でているだけにとどまってしまう。 気付いた彼が舌を引っ込め、甘えるように喉元へ口付けを施すも、表情は分からないまま下腹部で熱が動く。 息が苦しく、口を閉ざせずに唾液が伝い、鳴かされ続けて声が掠れている。 仄かに付けられている香水が鼻腔を擽り、彼が其処に居るという事実を物語っている。 ズ、と僅かに掻き回され、それだけでたまらないとばかりに自身がひくつき、貪欲に快楽を拾い上げる。 柔らかな髪を撫で、揺すられて先走りを散らし、何度達すれば満足してくれるのか自分でも分からない。 「真宮」 「ん、く……」 「なァ、真宮……。言って」 「あっ、はぁ……」 彼が顔を上げ、静やかに紡ぎながら注がれる双眸に捕らわれ、唇を震わせてか細い吐息を漏らす。 引き抜かれていく熱量が、浅いところでとどまりながら内側を撫で、それだけで狂おしい程に感じて卑しい証を垂れ流している。 見下ろされ、甘えるように言葉を掛けられて、恥じらいに視線が泳ぐ。 とうに耐えられず、求めてやまない事実を見透かされ、彼がじっと見つめて促してくる。 熱が引かず、より一層昂りを増していくばかりであり、淫らに自身が涎塗れに悶えている。 まじないを掛けられているのだろうか、思いもせず、選ぶはずのない言葉を携えて、今にも屈服してしまいそうになっている。 突き放したかと思えば擦り寄って、口付けをして思考を奪い、退路を失っている事にも気付けぬままに目先の欲へと溺れていく。 「あっ……、あぁっ、ぜ、んっ……」 「なに……?」 「あっ、あ、ぅっ……んっ、あ、ほしいっ……」 「欲しいの? 何処に」 「んぅっ、はぁ、あっ……、もっと……、あっ、う、んんっ」 たった一言放ってしまえば、堰を切ってするすると欲に塗れし望みが解き放たれ、熱量を従順に受け入れて悦びに涙を溢す。 堕落させられ、それでもその手を取って沈み込み、一気に奥へと熱を押し進められて白濁が噴き出す。 もっと、もっとと彼を求め、ぐちぐちと奏でられる行為にも劣情を煽られ、蕩けた表情を浮かべながら甘ったるく感じ入っている。 打ち付けられる度に自身が震え、びゅると白濁を飛散させながら昂り、殆ど達してしまっているような状態になっている。 躊躇いもなく名を呼び、自ら触れては縋り、あられもない声を上げて足を広げては快楽を味わい尽くす。 奥、奥と譫言のように甘えていざない、いいところを擦られて強烈な快感に仰け反り、我を見失っていやらしい声を惜し気もなく聞かせている。 肌がぶつかり、中を抉られる度に悦んで白濁が垂れ流されていき、もう何にも見えず、考えられず、彼だけが居ればそれでいい。 「あ、あぁっ、う、ん、んんっ、で、る……あ、あっ、また出ちゃ、あぁっ」 最早言葉にならず、執拗に攻め立てられて散々に喘がされ、激流のように一気に痺れが上り詰めていく。 ぐじゅぐじゅと行き来し、貫かれる度に抑える気もない声が響き、いじめられて泣いて悦んでいる。 子供のように頼り無げに、弱々しく同じ言葉を繰り返しては頭を振り、呼応して自身からはぴゅると欲深な証が噴き出していく。 「あ、あぁっ、や……、でる、ん、んんっ……!」 ぎゅっと彼にしがみつけば、直接触れられなくとも勢いを孕んで白濁が飛散していき、ぞくぞくと抗えぬ快感が駆け巡っていく。 はあ、と喘いで疲労感が増していき、なけなしの力すら失ってずるりと手が落ち、寝台に沈んで余韻から抜け出せない。 「はぁ、あ……う」 目を開いていても、何にも映り込んではおらず、呆然としたまま熱に浚われて呼吸を乱れさせている。 悦楽へと沈み、仰向けで甘ったるい吐息を溢しているも、彼からは何も紡がれない。 けれどもそんな事には構わず、どくどくと溢れていく蜜を感じていると、ずるりと熱を引き抜かれて思わず息を漏らしてしまう。 そうして腕を掴まれ、何がなんだか分からないままに起こされてしまうも、自力で支えられない身体が倒れていく。 目の前に彼が居て、自然と肩に凭れて動こうという気になれず、すんと甘やかな香りを感じ取る。 するりと片腕を漸の背へとまわし、体温を感じながら誘われるままに顔を上げ、仄かに汗ばむ首へと舌を這わせ、口付けていく。 「ん……ふ」 「真宮……?」 呼ばれても構わず、どうしてこのような事をしているか分からなくても、止められもせずに愛撫を続けていく。 首から始まり、耳や顎を伝って少しずつ顔を上げていき、やがて目前では見目麗しい青年が視線を寄越している。 何か言いたそうで、けれども唇からは何も紡がれず、じっと強き双眸が瞳を捕らえて離そうとしない。

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