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第15章の15

諒の言葉にもかかわらず、社長は自信がたっぷりに、 「隠し子なんて知られればバンドに傷がつく。 売れていればスキャンダルだし、売れてなければ他のメンバーまでクビかもしれない。 その女性と子供がどうでもよかったとしても、 仕事第一の麻也が仕事をおびやかすようなことをするだろうか。 だから、もし本当に子供を連れてこられたら、親御さんに詫びを入れてでも、 自分も動いて対処してると思うんだ。」 そして、諒に向かって、 「その…諒の経験と照らし合わせてどう思う? そうならないか? 」 すると諒は急に遠い目をして、 「…っていうか、だから俺との同棲も嫌がらなかったし、 ドキュメンタリー番組でさらすのも嫌がらなかったのかな、って気がした。 公開できる場所では話すし…」 「はあ? 」 社長の目が少し吊り上がった。 「…でも、大翔にはやきもち焼いてるみたいだし… でも俺はやっぱり<都合のいい男>なのかなあ…? 」

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