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第15章の16

自問自答する諒に向かって、社長は突然、 「諒、お前にそれを言う資格があるのか? 」 「えっ? 」 意外な質問に諒はたじろいだ。 「お前こそ麻也を<都合のいい男>にしてるんじゃないのか? お前に似合いの綺麗な売れっ子ミュージシャンなのに、 オフも子供のいるお前に合わせてくれるわ、 同棲して愛もエッチも 保証してくれるわ、 女性とかかわるのも自分の子供を持つのも諦めてくれるわ、 東京ドームに連れて行こうとしてくれるわ…」 「うるせえ! だったらその麻美っての連れてこいってんだ! 」 諒は相手が 社長ということも忘れて叫び、立ち上がった。 「うるせえっ! このビビりのデビッド・ボウイがっ! 」 社長も怒りにまかせて立ち上がり、掴み合いになりそうなところに須藤が割って入った。 「二人ともやめてください! 諒さんも、社長にそれはないでしょう!  証拠を集めて、本人に問いただしましょう! そうじゃないと諒さんも麻也さんも気の毒だし、 真実を押さえておかないと、外部への対応もできませんし、 間違ってファンに広まったら…」 それを聞いた2人はあわてて手をひっこめた。 が、社長は立ったまま困ったように頭をかくと、 「証拠ったってなあ…契約の時に提出してもらった戸籍謄本は、普通に親御さんと兄弟と… あと、赤ちゃんの時に亡くなったお姉さんが載ってただけだし…」

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