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第15章の34
「もう、諒ったらあ…」
珍しく、麻也も諒の腰に腕を回してくる。思わず諒は、麻也の天使な黒髪に口づける…
…とそこにビールを持ってきたのは店長…だったが…
カップルムード出しまくりの2人の姿はかなり刺激的だったらしく、
諒が、オーダーはまた後で…
と言う前に、気を利かせたように目をそらしてさっさと帰っていってしまった…
が、そんなことにはお構いなく、諒と麻也はまた2人きりになったところで乾杯したのだが…
すぐに麻也の目はメニューに釘付けになる。
「ここの店、ジンギスカンあったよねえ…? 」
せっかく牛が主役の店なのに…諒はつい、
「えー、いきなりそれなのぉ…? 」
「えっ? 変? だって諒、ウナギより効くって俺にすすめてたじゃん。」
麻也はメニューから目を上げないが…
(もしかして、これって…誘ってる…?)
そう思った途端、諒はドキドキしてしまって、
「お、おやぁ、麻也さん、何に効くのかなあ…? 」
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