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第15章の35

「ふふ、何だろうね? 体にいいコト? 」 いかし、ふと顔を上げ、諒の瞳をのぞきこんでくる麻也の瞳は意外にも不安そうに揺れていて… 諒の胸は締め付けられた… 気が付けば、麻也の細いあごをくいっと持ち上げて、唇を重ねていた。 麻也の柔らかな舌が諒の唇を優しく割り、さらには舌に絡みついてくる… (あーっ、もう、麻也さんたら…でも嬉しい…) 畳があるのを幸い、諒は思わず麻也を押し倒していた。 麻也の美しい、ふわふわの長い黒髪が畳に広がった。 が、諒は麻也に押しとどめられた。あたりをはばかるようなひそひそ声で、 「諒、これ以上はだめだよ。出入り禁止になっちゃう…」 「ええっ、麻也さん、オイラのキングコブラが生殺しになってるんですけど…」 すると麻也は、うふふ、といたずらっぽく笑い、 「いいコにしてたら、帰ってからごほうびあげるよ♪ 」 と余裕しゃくしゃくなのがちょっと…で、諒は反撃に出た。 「そう言う麻也さんのエンジェルコブラはどうなんですかっ! 」 と、麻也のパンツのジッパーのあたりに手を…と、身をよじって麻也の猛反撃が… 「コブラがエンジェルなんて失敬なっ! 」 本当に失敬なのか?と諒は思ったが、手を掴んでこようとするのをどうにか払いのけ、 体を押さえつけて、唇を強引に奪うと、シャツをたくし上げ…ようとしたところで、 いきなり麻也の体から力が抜け、諒はびっくりして手を離した。

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