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第15章の37
それにしても、運んでくる若い店員たちの隠しきれない動揺ぶりには…
二人とも大笑いしてしまったが、そのうち、店長しか来なくなった…のにも笑った。
諒が焼いていく肉を、麻也は美味しそうにぱくぱくと平らげていく。
「麻也たん、おいしい? 」
「うん♪ 諒の焼き加減、絶妙だよ。」
2人がほどよく食べ終えた頃、店長がデザートを運んできてくれた。
「社長さんからの差し入れで、夕張メロンアイスクリームになります…」
「わーい! 」
店長が出ていくや否や、諒は麻也のスプーンを取り上げ、
夕張メロンの赤肉色のアイスを一口分すくうと、
「麻也さん、あーんして…」
「いいよぉ。諒のアイス溶けちゃうじゃん…」
「いいからっ♪ はい、あーん…」
「もう…あーん…」
「おいしい? 」
「おいしいに決まってるじゃん! 」
照れた可愛い表情の麻也に、ぺしっ、と腕を叩かれ、諒が幸福の絶頂にいた時…
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