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第15章の39
…家に帰ってリビングに入ると…
麻也は今日スタジオで決心したことを、諒に告げずにはいられなくなった。
「麻也さん、酔い覚ましに何か飲む? 俺、ミネラルウォーターにするけど…」
「…あ、俺もそれで…」
「麻也さん、気分悪いの? まずは座ったら? 」
ボトルをテーブルに2本並べると、諒は麻也に優しく促した。
「あ、ああ、そうだね…」
ソファに腰を下ろしたもののなかなか切り出せず、口ごもっていると、
「顔色悪いけど、本当に大丈夫? 」
と、諒は密着して横に座り、顔をのぞき込んでくる…もう、こうなったら…
「ああ、うん…あのさ、諒…」
「ん? 」
諒の目を見る勇気はなかった。悲しくて…
「…諒、来年、ツアーが終わるまではそばにいてくれないかな? 」
「えっ? 」
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