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第15章の42
「麻也さん、俺にウソつくのはやめて。本当のこと言って…
ねえ、俺から…その、離れろって、誰かに言われたの? 」
「そんなんじゃないよ。」
「社長とか、須藤さんとか? 」
「だから違うってば…」
麻也も必死で答えながらも、諒が、あの忌まわしい事件のウワサを聞いてはいないらしいことにほっとしていた…
が、諒は、麻也がこれまで見たこともないような冷やかな表情で、
「…麻也さん、やっぱり俺以外に誰かいるんじゃないの? 」
麻也は真っ青になった。その誤解だけは避けたいのに…
「違う! それだけは違うよ! ほら、諒はやっぱりそういうこと言う…」
しかし、諒はもう取り合ってはくれなかった。
手首を掴まれ、あっと言う間にリビングから引きずりだされた。
それがどういう展開になるかはわかっていたし、振り払おうと思えば振り払えた。
でも、諒から逃げなかったのは、自分もそれを本当は望んでいるからに違いなかったのだ…
「麻也さん、自分で脱いで。俺を誘って。」
…寝室のダブルベッドに放り出されると、
腕組みして見下ろしてくる諒に冷たい口調で命令された…
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