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第15章の44

 諒が口づけてくるのにも、麻也はいっさい抵抗などしなかった。 抵抗する理由なんてなかったから… その時、一瞬見えた諒の表情が、初めて結ばれた時のような、 麻也の反応を気づかってくれている様子だったのが嬉しくて、 麻也も必死で諒の唇に、舌に、応え続け… 一度、諒はキスをやめ、何か麻也に言いたげに見つめてきたが… うまい言葉が見つからないといった様子で、でも表情からはさっきまでの冷たさは消えていた。 でも今度は、つらい、苦しい、と訴える目で… そのまま諒はまた麻也の唇を貪ると、その唇は首すじに、鎖骨に… 「…あ…諒…そこは…あぁ…」 麻也の弱い胸を吸われると、麻也はもう、自分の欲望を隠すのをいっさいやめた。 自分がいつもどれほど諒を求めているか、 諒にならどんなことにでも反応してしまう存在であることを知ってほしかったからだ… 「…諒…」 自分のものが完全に諒を求める様子になり、先走りの蜜をあふれさせ始めてしまった時は、 シーツを握りしめたまま、恥ずかしさに思わず諒の名を呼んでしまったが… 諒は麻也のもっとも敏感な部分を舌で刺激し続けていて、何も言ってはくれない… 「…諒っ、もう、俺…」

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