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第15章の53
諒はますます、優しく密着してくる。
麻也は、ベッドからは出られないが、本当はもう寝がえりをうってキスくらいはできる気もするのだが、
諒のあたたかさが嬉しくてそのまま甘えてしまう。
それに、いけないことだが、諒は子供と同じくらいに麻也との行事(?)を大事に思ってくれたのだからと、
麻也は大翔への嫉妬も溶けていく気がして…
窓から差し込んでくる光が急に明るくなった。
「いい大みそかだなあ…」
麻也はふとつぶやいていた。
諒はくすっと笑って、
「いいお正月ってのはよく聞くけど、いい大みそかか…でも、本当だね。」
…東京の片隅で、ようやくハードなスケジュールから解放されたロックスターのカップルが、
こっそりと幸せな時間を楽しんでいた…
…しかし…
…明けて正月も3日…
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