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第15章の54

…親や親戚の相手に疲れた麻也と、大翔のだだっ子パワーに疲れた諒は、 大翔が寝静まった後に、地元のファミレスでぐったりデートをしていた。  5日までの正月休みの残りを、どうするか困っていたのだ。  自分と同じ、ドリンクバーのメロンソーダをすすめてやりながら、麻也は、 「一年間の仕事疲れが取れないうちに、慣れない育児でしょ?  そりゃどんな若いパパもぐったりになるよ。」 「…」 諒はこの疲れを<ふがいない父親だから>と思って自分を責めているようだった。 「…予定早めて、明日渋谷に戻る? 諒の好きな<姫始め>早くできるよ。」 「うーん…」 笑いを取ろうとしたが、ダメだったか… らしくもなく、えっちな切り返しもしてこない諒に、麻也はますます心配になった。 頭を抱えて、息子への愛と慣れない育児疲れとのはざまで諒が葛藤している時に、 麻也のケータイにメールが来た。 元旦以来の直人からのものだった。 ―…いろいろ調べてみましたが、姫始めには特にご利益はないようです。 諒に説明しようと何度も電話したのですが、つながらないので、 急いで麻也さんへのメールにしました… (直人、ありがとう。でも残念ながら俺はしばらく無事そうだよ…) それどころではない諒にはまだ黙っておくことにした。 すると、珍しくメールの送信者をチェックしてこなかった諒は、決心したように、 「麻也さん、俺やっぱり、5日の午後まで大翔のそばにいることにする。 こんなに長い休みってなかなかないし、そばにいてやるだけでもいいのかな、って。 寂しい思いさせちゃうけど、ごめんね。」

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