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第15章の56

…その約23時間後…4日の夜9時頃…  …帰省から戻ってショッピングに出た麻也が帰ってみると…  マンションの部屋の玄関に、出かける時にはなかった見慣れぬ男物の靴が… (真樹…? 諒? でも誰からも連絡なかったし…) 思えば真樹の今日の予定は聞いていなかったが… でも、真樹も諒も、あと須藤も鈴木も、 合鍵を持っている男たちはこんな風に新しい靴を脱ぎ散らかすタイプではない…  そして、リビングのドアから電気がついているのが見えるのだ。  麻也はショッピングの戦果を玄関に置くと、いつも自らが床を磨いている、 愛用のモップを洗面所から持ってきた。 高校の剣道は強かった麻也は、棒っぽいものがあればこっちのものと思っている。 警戒しながらドアを開けると… …ソファで爆睡する諒の姿が… 「何だよ…」 麻也は思わず座り込んでしまった。が、諒は珍しく目を覚まさない。 (よっぽど疲れてるんだな…) かわいそうなので起こさないことに決め、毛布の襟元をそっと直したら、諒は目を覚ましてしまった。 が、 「あれ? 俺…えーっ? ここ、ウチ? 」 とあわてて起き上り、驚いて周りを見渡す始末だった。そして、 「えーっ? 麻也さん? 」 冗談などではなく、本当にうろたえている。

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