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第15章の57

「諒、大丈夫…? 」 しかし、麻也の方もいくつもの疑問が出てきて、諒に近づくとその腕を掴んでしまった。 「どうして連絡くれなかったの? くれたら俺、早く帰ってきたのに…」 と言ってから、もしかして携帯の電源を切っていたかな、と、ひやっとしたが、 「だって、せっかくの麻也さんの休みを邪魔したくなかったんだもん…」 「にしてもさ、よく帰ってきたね。」 すると諒は神妙な顔をして、 「昨日も親父たちに<せっかくの休みなんだから、友だちとかに会ってくれば>って言われたから、麻也さん誘ったのね。 でも、女の子誘ってると思われたくなくて、<麻也さんと仕事の打ち合わせしてくる>って言って出たの…」 すると帰宅後、父に心配そうな顔で、 「大翔といると疲れが取れないだろうから、いつものマンションに帰れ。」 と言われたのだという。もちろん諒は拒絶したが、父はなおも、 「休み明けにその疲れた顔じゃあ仕事に差し支えるだろう。 周囲のみなさんにもファンにも悪いから、マンションに帰って少しでも休め。」 と言い、母にも、 「まだまだ大翔に手がかかる時期は続くんだから、また次の休みにでも来なさいよ。」 と、優しく言われたという。そしてとどめは父親のひと言で、 「この日本中探したって、お前の代わりの歌手はいないんだから。 でも、大翔のサポートは、俺とお母さんにもできるんだから…」 そう話す諒は少し嬉しそうだった…

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