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第15章の63
「諒! お前、タバコ吸ってんのかっ! 」
仕事が始まって3日目、スタジオの廊下で出会いがしらに諒は社長に怒鳴られた。
身に覚えのない諒はびっくりしてしまって声も出ない。ようやく、
「…いえ…そんな…」
「証拠の写真があるんだよっ! せっかくここまでタバコなしで来たのに、喉やられたら…」
社長の手元の写真をのぞき込んで、麻也は吹き出してしまった。
初詣、ごく少数のファンに撮ってもらった、ロングコートの二人の写真。
「何笑ってる! 麻也は何で止めなかったんだ! 」
直人はのぞき込んで、外タレのプライベートみたい~と喜んでくれたが、真樹は、
「兄貴ぃ、このコート、俺が買うはずだったのに~!
諒が何かやってると思ったらこれかよ… 」
「問題はタバコなんだよっ! 」
社長が再び叫ぶと、麻也が冷静に、
「5日に小さな神社に初詣に行ったんです。
外タレごっことか言っておしゃれして。そしたらファンに見つかっちゃって…」
カップルの男の子の方が、タバコを持っていた方がロックスターらしい、
と言って諒に火のついたタバコを貸してくれて、
麻也と2人睦まじいところを撮ってくれたと説明した。
「でも、本当に写真送ってくれたんだ。嬉しいね。」
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