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第16章の9
次の日の鈴音のリハーサルは時間ばかりかかって、麻也には不快だった。
挙句には麻也だけ、鈴音と話ができないようにということか、
何となくコントロールルームの隅に追いやられ…鈴音から遠ざけられ…
(これなら立ち会う意味ないじゃん…)
頭にきたので、休憩中に苦笑いしながらも甘ったるく、
「もー、早く戻んないと、諒に叱られちゃう~…」
と、一番若そうな彼女の現場マネージャーにグチってみた。
すると彼は目をぱちぱちさせて、
「あ…あの…麻也さんて、オトコの俺でもドキっとします…」
と意味不明なことを口走り、
「さっきから気になってたんですけど、その小指の立派なリングは、諒さんからのプレゼントですか? 」
「っていうか、二人のペアリングなの。まあ、結婚指輪みたいなもんかな♪ 」
と、目いっぱい諒とラブラブをアピールした。
彼はやや引き気味になったが、
上司に掛け合いに行ってくれて、麻也の曲から、麻也は鈴音に指示を出せることになった…
チーフマネージャーの斎藤がべったりとくっついてきたけれど…
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