麻也は胸の痛む思いで鈴木に尋ねた。 「…あとさあ…俺、どうしていつもあんな浮気者ってことにされるんだろう…」 すると、鈴木は自信たっぷりに、 「麻也さんはすべてが揃っているからねたまれてるんですよ。 須藤さんも＜スターの勲章＞だって言ってたし、僕もそうだろうと思いますよ。」 そして、他のメンバーも言われてるんじゃないですかね、と言う。 「えっ？　諒も？　」 掴みかからんばかりの麻也の勢いをどうにか押しとどめながら鈴木は、 「それこそさっきのウワサ話じゃないですけど、 例の女優さんとどうにか…なんてウソの話くらい作られてそうじゃないですか。 麻也さんと諒さんのカップルがねたましい人もいるでしょうし… 残念ながら、熱狂的すぎるファンや追っかけの中にもですよね…」 嫌なオチの割には、麻也は少し安心した。 鈴木の口からは坂口の名は出てこなかったからだ。 「鈴木さん、ごめんね。ありがとう。納得したから、俺スタジオ頑張るよ…」