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第16章の20
すると真樹は、おやっ、という顔をして、
「何をクールに言ってるんだよ。
バンドの中で自分だけ親族じゃないのが寂しいって言ってきたんじゃん。」
これには直人も寂しそうに苦笑いして、
「…そうだけど! バンド内で遠藤ズは本当の兄弟だし、
諒子ちゃんは麻也さんのつれあいだから、真樹は義理の弟だし…」
「そっか…」
麻也も諒も納得したが、スタッフたちの間のざざめきが聞こえてくる。
<諒子ちゃん、てことは…>
<えっ? 諒さんが受け側?>
<麻也さんて意外とアグレッシブ…>
<いや、リバーシブルかも…>
<…って、それ何? >
諒はこの空気をどうにかしようと、咳払いをすると笑いを取りにいき、
「まあ、ネギ坊主とロン毛の二卵性ということで…」
「誰がネギ坊主だよっ! 」
真樹に中断されてしまった…
「この俺様のプラチナブロンドを…」
すると諒も、
「だって、その色、俺ずっとやりたいんだよ! なのに真樹が…」
すると麻也が諒を落ち着かせようとその腕を掴んで、
「諒は濃い目のブロンドの方が似合ってるんだよ…」
というと、諒は目じりを下げてケンカも忘れ、
「え? そう? 」
とヤニ下がっている。
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