すると、このやり取りを見ていた鈴木が、 「あのー、これをファンクラブの会報に載せてもいいでしょうか？　 ＜ツインズ始動＞なんちゃって。」 しかし、メンバーはがっくりとうなだれてしまった。 「そっかー、会報の原稿も揃えないといけないのか…」 会員のみんなのリアクションもいいのでメンバーも毎号楽しく作るのだが、 こうスケジュールが立て込むと… 「まあ、いつも以上にスタッフ一同も頑張りますから…」 と言うが早いか、鈴木は真樹と直人をドラムセットの前に連れていき、 ダブルピースをしてみせる笑顔の2人を、いつものコンパクトカメラで撮っていた。 プロに撮ってもらう美しい写真は当然だが、こういった素人らしいスナップも、 ファンには＜メンバーの素が見えるみたい＞と大好評なのだ。 それもまわりまわってツアーのチケットの売り上げに影響してくるのだろうから手が抜けない。 　出来上がってきたツアーグッズの見本のチェックもしなくてはいけない。 いくらライブそのものでは使わないといっても、 アーティスト本人が＜見た記憶すらない＞では話にならないからだ。 知らないところでセンスのないグッズを作られ、イメージの低下につながっても困るわけで…