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第16章の22
今回も、メンバー、スタッフ共、眠い目をこすりながらの作業になってしまった。
こういう時は、メンバーの分担はますますはっきりする。
ファッション性やデザイン性のセンスに一目置かれているリズム隊。
手触りや使い心地にうるさいフロント二人、というように…だがこの夜は、
会議室のテーブルに向かって並べられたグッズの見本を手に取りながら、
「このストラップ、ゴツ過ぎず、おしゃれでいいね。」
と直人が口火を切ると、珍しく諒の最初の発言は、
「それはいいけど、このTシャツの紫、少し変じゃない? 」
すると真樹も見本のシャツを手に取り、他のものと合わせて見ながら、
「うーん、そう言われてみれば…でも、この時間で、目が疲れているのかな…
って、兄貴! 諒クンタオルの上で寝てるんじゃねーよ! 」
今回から、麻也の提案で、タオルには諒の瞳の色のペリドットグリーンも加えることになった。
特に諒のファンたちは物販の時間から、ライブ帰りも、自宅についてからも、
この不思議な色に思い出を込めてくれるだろうと、麻也のアイデアを絶賛したのだが…
「うふ、麻也さん、ヨダレも可愛い♪ 」
と、喜んで諒が麻也のほっぺをツンツンするだけだ。
突っ伏した麻也はされるがままで、頭を上げようとはせず、
「誰がヨダレだよっ! それに、年寄りは朝が早いんだよ~」
と、タオルの上で寝ていた…いのを我慢して、どうにか上半身を起こした…
「兄貴はまだ若いよ。朝早い兄貴なんて、見たことねーもん。」
と、真樹に嫌味たっぷりに励まされながら。
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