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第16章の30

キッチンに走って行った諒を見送ると、 麻也はジャケットもそのままにベッドに寝転がりたい気分だったが、 それではあまりに諒に悪いのでどうにか座って待っていた。 戻ってきても、諒は立ったまま水分補給… でも、パジャマを出す気配はなく、すぐに麻也の服を脱がせ始めた。 「今日は諒クンのぬくもりが麻也たんのパジャマだよん…」 と、無理やり照れを押し殺した表情で言う。 麻也は、仕方ないな、という表情を作って見せて、まんまと希望をかなえてしまう。  そのくせ毛布の中に入れば麻也はも爆睡…の手前で諒のキスに舌を思い切り吸われ、現実に揺り戻され、 諒の素肌の胸のなめらかさとぬくもりに包まれている幸せに…まどろんで… それを繰り返し…諒の、自分を見守ってくれる優しい笑顔が最後の記憶…    こんなことがリハーサル期間の麻也のお楽しみ…なのだが…  また二人の神経を逆なでするような事件が、次の日には仕掛けられていた…

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