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第16章31(←麻也クン諒に浮気される?)
確認したいことがあるから…と、諒と麻也は一緒に社長室に呼ばれた。
嫌な予感…
2人で苦笑いしながら部屋に入ると、社長はやっぱり渋い表情だった。
が、2人を見て、少しほっとしたようで、
「…その様子だとまだ知らないな、諒。」
「えー! 俺~? …今度はいったい何なんですか…」
すると社長は、怒るなよ、と前置きしたうえで、一冊の雑誌を手渡してきた。
表紙を見ただけでうんざりする。
男性向けの三流ゴシップ誌。なぜ三流、と呼ばれるかというと、
事務所に一切確認しないで単なるウワサ話まで載せるからだ。
訴えるならどうぞ、とタカをくくれるのは、
三流雑誌なので本当なわけがないと読者が思っているはずだから、
わざわざ裁判に持ち込む事務所などあるわけがない、
というこれまたおかしな理由で…
諒はふせんがつけられたページを開いた。
<撮った!ディスグラ諒、有名女優とお泊り愛!>
横から見た麻也は、そんなことあるわけがない、とは思ったが、
その見出しはやっぱり気分のいいものではない。
ただ、諒が落ち着いていることだけは、麻也にとっては救いだった。
そしてモノクロの写真はあまりに不鮮明で、
マンションぽい外壁の前にたたずむ、コートにサングラスの男は確かに諒に見えたが、
隣にいるサングラスの、長いパーマヘアらしい女優帽みたいな帽子の女は不鮮明すぎ…
「…こんなのいつ撮られたんだろう…」
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