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第16章の35(←広がる噂と闘う麻也王子)
諒はあからさまに嫌な顔をした。
「俺には麻也さんしかいないし、そんなの大事な身内と、ファンに伝わってるからいいです。
こんなのもちろん嘘だし、何よりどうしてこんな雑誌がここになきゃいけないんですか!? 」
「それは、この雑誌は、鈴木くんが偶然コンビニで見つけたのと、
おととい出待ちしてた男性ファンに伊豆くんが問い詰められた時、
諒の不倫の証拠だって無理やり押し付けられたからだよ。
それで社内には合計2冊あるんだ。」
須藤も困った表情で、
「その人の声が大きかったから、女性ファンにも寄ってきて騒がれてしまって…
出待ちや追っかけなんかしないファンにも広がってるかもしれないんです。
さらにはもうファンだけじゃなくて女性週刊誌何件かからも電話が来てるので…」
「女性週刊誌って…? 」
麻也も割って入らずにはいられない。ためらう須藤に、麻也はもう一度尋ねた。
「それって、事務所に確認をとってきたってこと? そっちはまともな雑誌ってことだよね? 」
そうなると麻也も不安になってくる。
が、それで決断したらしく、社長がこう言ってくれた。
「もうここまできたら諒、本当のことを言ってくれ。以下の6つを…」
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