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第16章39(←諒ショックに苦しむ麻也王子)
廊下に出て、麻也はただ立ち尽くすばかりだった。が、やっぱりこういう時は仕事に逃げるに限る。
何より顔なじみとはいえ、多忙な監督を待たせているのだからと自分に言い聞かせ、
麻也は会議室に入っていったが、監督のアシスタントやスタイリストの三田のチームもいたので、
打ち合わせは結構白熱していた…
リズム隊の2人は麻也を笑顔で迎えてくれたが、
何ごともなかったかのような諒は話に夢中で、
長い腕を伸ばして会議テーブルの上の書類を指さしては色々と提案していた。
カリスマのくせにこういう時は気さくという、人気アーティストの顔で生き生きと。
麻也はみんなのエネルギーについていけず、端の席に着くと、最低限の受け答えをしていた。
しかし、予定時間を大幅にオーバーしてしまったので、無理やり翌日の夜に、
最終打ち合わせ、リハーサル、できるところからの撮影、ということになった。
雑誌のインタビューがこの日の最後の仕事だったが、
終わるとリズム隊が<メンバーだけで食事して帰ろう>と誘ってきたのだが、
その時にはもう諒の姿はどこにもなかった。
「いいよ、たまには3人でもいいんじゃない。」
と真樹は言い、近くの洋食居酒屋に入っていった。
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