895 / 1053

第17章<許されぬ恋…諒の場合>の1

「一体どうしたら…」  東京の片隅のシティホテルのシングルルームで、 諒はひとり、悩んでいた。 言葉で認めることさえ恐ろしい。 胸の中、言葉にすることも できないほどの 恐ろしい罪... それで諒は麻也のもとへ帰れない。 本当は、次の日には麻也に土下座してでも詑びを入れて、 マンションに帰るつもりだった。 それが... 事務所で、アイツに出会ったのが悪かった…  須藤に連れられ、社長室から出てきた一人の青年…  自分より年下っぽい、細身の、短いサラサラした黒髪もさわやかな青年… 「あ、諒さん、ちょうどいいところに…」 笑顔で須藤は諒に声をかけてきた…

ともだちにシェアしよう!