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第17章の2(←麻也も知らない諒の潜伏生活?)
「こちらは昨日お話しした諒さんの付き人の三浦君です。」
紹介された三浦は、他の人と同じく、諒の迫力にややたじろぎながらも、
笑顔でよろしくお願いしますと挨拶をしてきた…のだが…
…確かにその日、その時の諒はおかしかった。
…その、三浦の笑顔に…諒の中の何かが動かされてしまったのだから…
(なんでだよ、コイツ、男だろ…)
一緒に微笑んでいる須藤も、この日は本当に怪しかった。
彼の重いカバンの中には、さっき諒が思わず受け取ってしまった、
女性歌手の連絡先のメモが入っていて、
その彼女に引き合わせたのも須藤だったからだ…
前の日は飲んで酔いつぶれてしまいたかったぐらいだったのだが、
ぐっとこらえて、行動圏内の、
出来たばかりの上品なシティホテルにしらふのまま、諒は部屋を取った。
そしてその、内装の上品なシングルの部屋で、ひとりわびしくワインを飲んだ…結構な量だったかも…
でも麻也に対する気持ちがごちゃごちゃになって…
全く眠れなかった…
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