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第17章の3(←撮影のため人気の洋館に向かう諒)
午前中に事務所に呼ばれていたので行くと、
ひと目見るなり須藤に渋い顔をされた。
「諒さん飲みすぎじゃないですか?
今日は男性ファッション誌の撮影なのに…」
「えっ? そんなに顔むくんでる? 」
思えば、いつもと違う鏡で、
ろくろく自分の顔のチェックもできていなかった…
それを気づかされたのに逆ギレして、
ただでさえ気持ちも不安定な諒は、
「…ったってさあ、なんでファッション誌なんだよ。俺ら忙しいんだよ。
直接音楽に絡むものに絞ってよ。」
「また諒さんらしくもない。
あなた自身がノリノリで承諾した企画でしょうが。
恨むなら自分の美貌とプロポーションを恨んでくださいよ。」
いつものように、また一本取られてしまった。
「仕方ない、写真とグッズのチェックはまた今度にして、
とにかく休める場所で少し休みましょう…」
とすぐに、いつものエステの店に連れて行かれ、置いて行かれた。
そして軽く施術してもらって、1時間ほどそこの奥の個室で休ませてもらい、
迎えに来た須藤に連れられて、撮影場所の、人気の洋館へ…
ここはもともと雑誌の撮影で大人気の美しい洋館なのだが、
内部は撮影スタジオとしてかなりリフォームされている部屋もかなりあって、
忙しいモデルにもカメラマンたちにも、
移動の手間がはぶけると大人気なのだ。
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