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第17章の6(←清楚な美人にずきゅんかもな諒)
「こっちの方に入ったのが見えたから…
諒さん、この人、若松奈生子さんのマネージャーで、
僕の同級生の…」
と紹介するといつにないことに、
須藤は諒そっちのけで 早口でその男性と早口で話し始めた。
奈生子はポップス系の売れっ子のシンガーソングライターで、
麻也と同じくらいの年齢らしいのだが…
須藤たちは、クラス会の話…に絡めて情報交換…
そこで諒がふと目を転じると、
パーテーションの陰でひとり、
立ったまま紙コップのお茶か何かを飲んでいる奈生子がいた。
あの清楚な売れっ子シンガーがたった一人で。
古めかしい水色の窓枠のガラスから射し込む光を浴びている、
長いサラサラの黒髪の彼女はどこか少女のように見え、
諒の胸に何となくあたたかいものを呼び起こした…
と、その時、奈生子は諒に気づき、
切れ長の美しい瞳が驚きのあまり大きく見開かれるのが諒にもわかった。
「…諒さん…どうしてここに…」
動揺のあまりか、彼女の手から紙コップが…
「あぶない!…」
諒は思わず駆け寄ったが、どうにか無事だったらしい。
「大丈夫ですか? 」
「ええ、すみません…」
楚々とした美人は頬を赤らめながら答えた…
それを見ていると初対面ではないのに、
何だか諒も変な気分になってしまう。
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