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第17章の8(←イケナイ思いに翻弄される諒)

「えっ?…」 思わず諒が開いてみると、携帯の電話番号が書いてあった。 「…最近、歌詞で煮詰まっているので、諒さんのアドバイスが聞けたらなって… お忙しいのにごめんなさい…」 前から薄々は気づいていたが、この前の、 音楽番組で一緒になった時に、 もしかするとかなり思いつめられているかもと思う様子があって… でも、そのはにかんだ様子に諒は心を洗われるような気がしたのを覚えている… そして今日…何か久しぶりの新鮮な思いがわきあがってくるのを感じる… それが何であるか、思い出すのに時間はかからず、 封印しなければと思うのにも時間はかからなかった。 (これって…) 麻也と出会うまでは、よく襲われた感情の動き。 目の前の女性がすごく気になる。 頼りなげで、支えたくなる… でも、この美しい人の細い肢体には手を伸ばして… と、諒はそこで我に返り、 (…俺、やっぱり今日はおかしい…) そう思って諒は、スーツの内ポケットにその紙を隠すためのふりをして奈生子から目をそらしたが、 胸の中のいけないもやもやは、 ヤバいと思えば思うほど、胸の中で広がっていく…

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