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第17章の9(←諒クンかなり血迷ってます)
思えば諒は保護欲をそそるタイプに弱い…
思えば大翔の母親もそうだった…
まあ、芯は強いタイプ…
(…って、麻也さんそのものじゃん…
でも麻也さんは男だし王子だし先輩だから、
からめ手から攻めるのが楽しいわけだけど…)
とはいえ、今、奈生子という理想的な、
そして触れなば落ちん風情の女性を目の前にして、
若い男に何もするなというのが、本来はムリな話なのだ。
(でも、麻也さんが…)
それなのに、諒は紙コップを窓辺に置くと、
奈生子の両肩に手を置き、にっこりとほほ笑みかけてしまった…
そのくせ、何も言葉は出ず…
奈生子ともどもうつむいて下を向いてしまい、
まるで付き合いたての恋人同士のようになってしまった。
しかし、諒も、二人きりで会いたいということはおろか、
もらった番号に電話をするからとも言えず…
ようやく奈生子の方が、
「今度は紙コップじゃなくて…」
と、はにかんだ上目遣いの笑顔をみせた。それで諒も、
「そうですね、ステキなティーカップで…ウエッジウッドでも…」
そう言って優しく手を離すと奈生子は嬉しそうに笑みを浮かべたが…
…その時、諒の背後で男の咳ばらいが…
振り返ると、奈生子のマネージャーと須藤だった…
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