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第17章の10(←いきなり交際の規制緩和に驚く諒)
諒は、一瞬どうなることかと思ったが、
彼は怒りたいのをどうにかこらえている様子で、
そこに須藤が、
「じゃあすみませんが、今日は失礼します。
若松さんも気に入りそうな店が見つかりましたら連絡しますんで…」
諒と奈生子がきょとんとしていると、
「いやあ、たまにはまったく違うジャンル同士、
食事でもしながら情報交換なんかいいと思って…
私たちマネージャーも立ち会いますから、
写真誌に撮られる心配もありませんよ。」
マネージャー二人の意味深な笑顔に、諒は押し切られた。
そして、奈生子の横顔は、かなり嬉しさを押し殺しているように、
諒には思えた…
須藤が運転する車で二人きりになると、
撮影と奈生子の一件の疲れが出て、
諒は大きなため息をついてしまった。
すると須藤は、
「若松さんとは連絡先を交換したんですか? 」
諒はなぜか言葉につまったが、正直なところを言ってみた。
「ううん、あちらから携帯の番号もらっただけ。俺は何も。
あ、その紙後で渡すね。」
すると須藤は意外なことに、
「いえ、別にいいですよ。」
「えー? なんでー? 」
思わず、諒は驚きの声をあげてしまっていた。
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