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第17章の12(←★割り切った大人のお付き合い?な諒クン)

他人にそんなことを言われたくない、という怒りより、 須藤に冷静に言われたショックの方が大きかった。 「麻也さんもあんなに仕事がデキる人なのに、 それは諒さんも同じですけど、 プライベートではお互いに依存しすぎ、っていうか、 ベッタリし過ぎに見えて…」 そこまで言うと須藤は前を見たまま思い切ったように、 「本当は、その…お二人とも外での恋愛があってもいいような気もしてるんです。 プラトニックでも、その先でも。」 「ちょっと待って、須藤さん…」 「麻也さんとはどうせ唯一無二のビッグカップルなんだから、 お互い遊びくらいでガタガタ言わないくらいまでなって下さいよ。 他にふさわしい相手がでてくるわけもないんですから。」 「そうかなあ…」 と、諒が助手席で長い手足を持て余しながら言うと、 「ほら、それがいけない。若松さんと最後までいっても、 現状なら困ったことにならなそうじゃありませんか。 売れてる今は仕事が楽しくって仕方がないってマネージャーも言ってたし、 それなら結婚も迫られないだろうし… 割り切った大人のおつきあいですよ。」 スーツの内ポケットから例の紙を取り出しながら諒は、 「須藤さんも相当疲れてるね。」

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