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第17章の14(←麻也王子を抱きしめたいのに…な諒)

「じゃあ、私はまた後から来ますんで…」  と、気が付けば諒は須藤に会議室に入れられ、一人にされてしまっていた。 すぐに広報のスタッフが諒のたくさんの写真を持ってやってきて、 会議テーブルの上に広げ始めた。 「2つのプロジェクトだけでこんなにあるんだ。すごい枚数だね。」 自分を励ますためにも、諒はそんなことを言ってみた。 「そうですね。でもせっかくの機会なので、本人選定でお願いします…」 「はーい♪ 」 一つは、いつぞやの大御所の写真家の個展用、 もう一つはツアーパンフレットの自分のコーナーの写真…  電話でスタッフは中座してしまったので、 諒は殺風景な部屋の中、 ひとりぼっちでたくさんの自分とにらめっこする破目になってしまった。 (前はこんな時もメンバー4人集まれて、客観的に決められたのになあ… まあ、忙しいのはありがたいけど…) …見ているうちに、どれがベストショットかかえってわからなくなってくる。 (…いくら人手不足だからって、広報さんからも放置プレイじゃねえ…) ペットボトルの紅茶も冷めていく。 (…麻也たんの笑顔が見たい。ぎゅっ、って抱きしめたい…) …あと数時間後にそれは可能なはずだが、みすみす諒自身で見送ってしまうことだろう…

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