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第17章の24(←ピリオドの鍼が打てない諒)

「三浦ちゃん、笑うなよ…って、もう笑ってるだろ…」 「いえ、笑ってないです…」 という三浦の声は明るい… ちゃんと鍼を打ったことの証人になってくれと言って、 諒は三浦を立ち会わせた。 鍼におびえてしまう自分の恥ずかしい姿を見せれば、 自分の中に諦めというか何というかが生まれて、 この<いけない気持ち>にピリオドが打てると思ったからだ。 しかし… ちらっと三浦を見ると、優しい笑顔だ。 (あらら、親近感持たれちゃったみたい…) 困るのは自分の方なのを認めたくなくて、施術台の上で諒は悩んだ。

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