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第17章の25(←諒の手は麻也王子の為に)

 悩みは表情に出てしまい、 「諒くん、痛い? 」 チーフはびっくりして尋ねてきた。 「い、いえ、大丈夫です! 」 諒はあわてて答えたが、チーフは、 「もっとリラックスして。怖かったら、三浦くんに手握っててもらおうか? 」 「えっ? 」 恐ろしい提案に、諒は真っ青になった。が、三浦の方は当然嫌がる気配もなく、 「はい…」 と素直に歩み寄ってきて…諒は必死で叫んだ。 「だめっ! そんなの麻也さんを倒してから来てっ! この手は麻也さんをいじり倒すためにあるのっ! 」 諒のすごい叫びように、チーフも三浦も大笑いしたが…  その後の三浦の少しはにかんだような笑顔を見て、 諒は複雑な気持ちになった。

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