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第17章の26(←ドツボにハマるばかりの諒クン)

 その笑顔の上品さが、麻也の持つ上品さに似ているような気がしたからだ。  麻也ほどではないが、もともとやや中性的な整った顔立ち。 でも穏やかで真面目な人柄が伝わってきて…  諒はまた仰向けになって天井を眺めたが…  オネエの諒子キャラが出てしまってもなお、諒の気持ちにはピリオドは打てていなかった…  そして…また須藤と3人になれば少し気は紛れるし、 諒の単独のテレビのトーク番組の打ち合わせに入ればなおさらだったが…  今日のメインの仕事…ミュージックビデオの撮影スタジオに行けば、 当然ながら麻也がいるわけで… (…どうしよう…俺…)  答えが出ないままスタジオには着いてしまい、 麻也もみんなと同じように諒の肌に驚き、笑顔を見せ、決断をたたえてくれたのに… 諒子ときたら、直人に<それなら誰かに太い注射を打ってもらえばいいのに>まで言わせ、 それに<王子様は何でも上品で小ぶり>なんて答えたのだ。 (…もう、俺ってサイテー…)

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