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第17章の31(←あーもう、煮え切らない諒!)
でも、諒は答えに困る。
「う…ん…」
「なあに? 諒、どっちなんだよ…」
「どっち、って? 」
直人は笑いながら、
「だから、諒は三浦ちゃんを手元に置きたいのか置きたくないのかだよ。
気に入ってるのにあの態度じゃあ、まるで…」
と言いかけて、直人は慌てて口ごもり、諒もあわてて下を向いてしまった。
それを見て、直人が固まっているのが、見なくても気配で伝わってくる。
「ええ? ええーっ?! 出会ったその日に?! 」
これには諒も怒って言い返してしまった。
「何だよ! そんなわけないだろっ! 」
「あ、ああ、ごめん。麻也さんと出会う前の、
手の早いお前を思い出して…
でも、そうだよな。麻也さんいるんだから…
って、お前がうつむくのが悪いんだろ!
それに麻也さんと離れてこんなとこにいるし、ずっと冷戦だし…」
「そりゃそうだけど…」
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