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第17章の32(←麻也王子との不安を告白する諒)

後ろめたさから諒が口ごもると、直人は諒の方に身を乗り出し、     意外なことを言う。     「…気になっちゃう、くらいはいいんじゃない?      三浦ちゃん、可愛いし、きちっとした感じだし、仕方ないよ。」     「でも、女じゃなくて男だっていうのが、麻也さんに知れたら…」     思わず口走って諒は真っ青になったが、直人はビールをひと口飲むと     自信ありげに、     「それはまだ気づいてないみたいだから大丈夫。」     でも、それを聞いて諒は混乱した。     それってラッキーなことなのか?      それとも麻也さんは俺のことを見限ってるのか?     それでこんなことを…     「でも麻也さんとは俺、ヤバいんだよ。     このツアーが終わったら…」     そう言って、絶望的な気分で諒は、両手で顔を覆った。     また直人が驚いているのがわかるが…言葉に困っているのにつけ込んで、     実は誰かに聞いてほしかった諒は言ってしまった…     「…麻也さんとは、ツアーの後、     その…話し合いたいとか言われちゃったことがあって…」    

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