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第17章の34(←恋の結末が見えてきた諒)
諒は恥ずかしかったがどうにか、
「…俺が少しのことで社長から誰から巻き込むのが良くないって…」
「うーん、何か口実っぽいな…」
「おどかさないでよ。どういう意味? 」
「うーん、わかんないけど、麻也さんならとことんヤバい理由じゃない?
うーん、例えば、病気…くらいしか、今は考え付かないな…」
その時の諒は思いつきもしなかった。
麻也の不眠が根深いことも、再発していることも。
「いや、一緒にいてそんな感じはしなかったけど…」
「そっか…諒がそう言うんじゃなあ…」
しかし、帰り際に直人はこうも言った。
「三浦ちゃんのこと、あんまり思いつめない方がいいよ。
麻也さんのパートナーである諒クンは、三浦ちゃんがお気に入り。
それでいいじゃない。」
それでも煮え切らない諒に、直人はさらに付け加えた。
「じゃあ、三浦ちゃん、内勤に回してもらったら?
今、広報とか経理も、
体力のある男のバイトを探してるっていうよ。」
それを聞いてちょっとほっとした諒は、
考えてみる、とだけ答えて、直人を見送った。
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