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第17章の35(←ひらめきの諒)

  部屋で一人になって、諒は直人の言葉を思い出しながら、     色々と検討していたが…     (…とにかく、直人に相談できてよかった…)     これが麻也がらみでなかったら、真樹にも相談できるのだが…     (あ…)     ふとその時、諒はひらめいた。     (やっぱり、須藤さんの力を借りよう…)     まずは、苦し紛れだが、     「生理的に三浦くんは受け付けない。     できれば、自分の視界に入らない部署に移動させてほしい。」     と言ってみる…ちょっと賭けになってしまうが…      何となく、須藤の眼力なら、諒の本心は見破られそうな気がする。     でも、奈生子の件を考えれば、     逆に三浦を説得して諒のもとに送り込んでくるかもしれないが…     いや、それはないだろう。三浦の父の立場を考えれば…      もし見破られなくても、この時期なら、     諒の軽いワガママとして聞き入れてくれるような気もする…     さっそく諒は、<明日は大事な話があるので1対1で会いたい>とメールを打った…      しかし、珍しく返事はなく…      さらには次の日、待ち合わせ場所で待っていたのは、 真樹の担当の服部だった。     「すみません、チーフは大事な打ち合わせとかで…リハには来ます。     大事な話、を僕が代わりに聞くことは…」     「ちょっとそれは…ごめんね、服部さん…」  

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