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第17章の36(←不適切な関係が可能かも?な諒)
その後、諒はボイストレーニングや整体に行き…
須藤に会えたのは、夕方、リハーサルのスタジオでだった。
三浦も一緒にいたが、須藤は他のスタッフの手伝いを彼に指示すると、
空いていた部屋のドアを開け、電気をつけて、諒を招き入れた。
お互いに時間が気になるので、諒は立ったまま、
例の件を話し始めた。
すると須藤は、
「うーん、人手不足なので困りましたねえ…
席を設けてもいいので、ちょっと二人きりで話してみては…
何と言っても三浦くんは諒さんのファンなので、
そのうち気にならなくなると思うんですが…」
三浦が自分のファンというのは初めて聞く話なので、諒はかなり動揺してしまった。隠すこともできなかった。
するとそれに反応したように須藤は、
「小野くんあたりには、<諒さんになら何をされてもいい>って言ってたそうですけど…」
諒はあぜんとするばかりだった。が、須藤はちょっと下を向くと、
「私の口から言うのも何ですが、その…抱かれてもいい、なんちゃってね…」
「そんなわけないでしょ。」
と諒はやっとのことで言い返したが、須藤の言葉にはウソや計略の匂いは感じられない。
きっと須藤のところには本当にそう伝わってきたのだろう.
しかし、気づけば須藤は諒の本音を見抜いてもいる様子で…
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