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第17章の38(←帰るべき場所がわかった諒)

すると、須藤はしれっと、     「同じですよ。諒さんと私のコンビと違って、麻也さんと鈴木くんはトシも近いですから言いやすかったみたいですけどね。     でも、逆にたしなめられたそうですよ。」     「えっ…? 」     すると須藤は笑顔で、     「麻也さんは、<諒で何もかも満足してるのに、何で遊ばなきゃいけないの? 意味がわかんないな>、って…」 諒は嬉しくて体が熱くなり、照れて顔が赤くなるのが自分でも良くわかった…  (あ…)     すぐに目に浮かぶようだった。     その時の麻也の首の傾げ方。     その王子然とした笑み。      それで、すぐ、思えた。自然に。     (帰ろう。俺…)      学生バンドの頃、自分の芸術家気質を、     本当に理解してくれていたのがリズム隊だった時に…     それを受け止められるプロ経験者が、麻也だった。     キャラはどこか可愛らしさもあるお兄ちゃんで…     …あれでディスグラ最大にして最後のピースが揃ったのだ。     …そして、あの日から変わらず、自分のいるべきところは常に麻也の隣り。     それを妨げるようなこと、それに傷をつけるようなことは、絶対にするべきではないのだ。     (…でも、タイミング悪いかも…ランキングでトップ取れなかったりしたら気まずいし…)      不機嫌な麻也の表情も、それはそれで可愛いが…     (でも、可愛そうなメンバー同士で慰め合う、ってのもなあ…)     「じゃあ諒さん、どうします? 」     珍しくイラっとした須藤の声で、諒は我に返った。

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