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第17章の48

麻也には他人行儀に、「何でもないです」と答えてしまったが… <重圧はメンバーみんなで分けよう>という直人の励ましの言葉も、 真樹の優しい視線も…何か諒は受け止められていない気が… (…あれ? 俺、今、何か変なこと、してる?) 次の瞬間、わかってめまいがした。 (ホントは俺が音頭を取って、もっと弾けたムードにするべきだったのかも…) 諒は一世一代の大失態を犯したと思ってあわてた。 (人生で、これ一回の経験を、俺はみんなの分まで台無しにしてしまったのか…) もう泣きたい気分で諒は切り出した。 「…ごめん…みんな…」 えっ…と、みんなはびっくりしてまた諒を見る。 が、諒はどうにか謝ろうと、続けた。 「…ほんとは、予定通りバンザイ三唱とか、俺が音頭取ればよかったんだよね。 みんなも人生一度きりの瞬間だったのに…」

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