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第17章の53(←無責任王子の麻也タン)

「あー、それなら俺も爆弾発言あるからなっ! 直人っ! 」 「えっ? 俺? 何でしょう? 」 驚いた直人が尋ねると社長は、 「お前には、ニンジャ・ド・ジャポネ、の仕事が来てるからな。」 えーっ、何それ…みんなが社長に尋ねると、 フランスのとあるブランドの、 <ニンジャ>という香水のイメージキャラクターに直人を採用したいという話なのだ。 「ほんとはサムライとかカタナにしたかったけど、 アランドロンの関係が先に使ってたんで…」 もう直人はその話は聞いていなかった。 「えーっ? 諒じゃなくて俺? 何で…? 」 「そのサラサラの長い黒髪と、切れ長の目に惚れたんだって。」 「えっ、俺どこでそんな、見そめられたんだろう…? 」 すると社長は、もうみんなが忘れていた、大御所写真家のパーティーのことを言い、 その時にそのブランドのプレスが目を留めたと教えてくれたが… 「直人はあの、銀座のホライズン画廊の社長さん知ってるだろ?  あの人がまずは中に入ってくれたんだ。」 それを聞いた途端、直人は瞬時に固まり、急に耳まで真っ赤にして首を横に振る。 ピンときた真樹が、 「あれ~、直人~、それってもしかして、彼女のお父さん…? 」 「にーちゃん、うるさいよっ! 」 そう叫んで下を向く直人に向かって、小さな声で、 ふざけた感じの表情で、 <何でもいいから世界に出て~>と声援を送る麻也が本当に無責任ぽく見えて、 諒も思わずみんなと一緒に笑ってしまった。

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